簡易計数板の作り方と、プランクトンの計数のしかた



『準備するもの』
 定規(10cm測れればよい)、接着剤(瞬間接着剤でない方がやり直しがきいてよい)、アクリルカッター(400円程)、カッターナイフ

『材料』(全て日曜大工の店でそろえることができます。)
透明アクリル板(2mm厚)
アクリル板は5@厚でもいいのですが、アクリルカッターで切る作業が大変になります。
切り方は、アクリルカッターの説明書きを読んで下さい。

網戸補修テープ
網戸補修用テープは、セロテープなどのコーナーに売っています。(大判 88@×88@ 300円程度)
学校などなら、1@方眼のOHPシートがあるかも知れません。あれば、その方が使いやすいものができます。

防振ゴム(1mm厚)
防振ゴムは、通常のカッターナイフで切り抜きます。(5B×5B 50円程度)


『作り方手順』
(1)アクリル板の切断

図の大きさに、アクリルカッターで切断します。



(2)網戸補修テープの切り取り

 定規とカッターナイフで切り取ります。(1)の板よりは小さく、(3)のゴム枠より大きければ問題はありません。

(3)防振ゴムの切り抜き

定規とカッターナイフで切り抜きます。
切り抜く大きさが問題です。図では、具体的な数値を示していますが、それは試作に利用した網戸補修テープの網目が1.25@×1.25@の大きさだったからです。
実際には、横方向に網目50列分の幅を切り抜き、枠として左右5@をとれば良いでしょう。縦方向には網目20列分の幅を切り抜き、枠として上下5@をとれば良いです。つまり、この枠の中に1000個の四角形が存在することになります。

(4)テープと枠のはり付け

アクリル板の上に補修テープをはり、接着剤を使ってさらにその上に防振ゴムの枠をはります。斜めにならないよう、できるだけ網目の線に合わせてはることが大切です。

完成した実物の写真


『プランクトンの計数の実際』
(1)ポリビン中のプランクトンを含む水を、コマゴメピペットと使って1ミリリットルとり、枠内に入れる。(2)顕微鏡のステージにセットする。ミジンコなど大きなものなら、対物レンズは4倍で十分でしょう。

(3)ある列にそって縦にずらしながら、出てくる種類と数を記録していきます。

(4)1列が終わったら、10列横にずらせて、再び数を記録していく。これを5回繰り替えします。
   (横向きには50列あるので、その10分の1を調べたことになります)


 顕微鏡でのぞくとこんな感じに見えます。

(5)数の計算(次の3段階で池の水にいたプランクトンを計算します。)
   例えば、ゾウミジンコが5列の計測で31匹いた場合
   (ア)ネットでろ過した後のポリビン1ミリリットル中のゾウミジンコの数は
      31×10=310匹
   (イ)ポリビン全体で50ミリリットルの水であったとすると
      ポリビンの中全体のゾウミジンコの数は
      310×50=15500匹
   (ウ)50ミリリットルの水が40リットルの池の水をろ過して作られたものだとすると
      池の水1リットル中のゾウミジンコの数は
      15500÷40=3875 (匹/リットル)

 こうして、池の中のプランクトンの密度を計算することができます。動物プランクトンは1リットル当たりで良いのですが、植物性プランクトンは場合によっては1ミリリットル中の数にした方が良いかも知れません。