第1回監修者打ち合せ報告
下記の内容で打合せを行ないました。
・全体的な面について
・分類体系について
・本の体裁について
・3月29日用の資料
・掲載する属、種数について
・今回の分類体系
報告者:浅井 浩

1:実施期日 2003年3月11日(火)
2:場所 衛生環境センター
3:参集者 一瀬、本多、浅井 (敬称略)
4:内容の概略(一瀬さんから次のような考えを伺いました)
<全体的な面について>

・大変良い企画。大変かも知れませんが、子供達が使いやすい体裁で、後になって誇れる内容の本になることを期待しています。
・琵琶湖ほど多様性がある湖は無い。しっかりした内容の本になれば、本の名前は「滋賀のプランクトン」かもしれないが、全国に通じる内容になると思います。販売も全国規模で行なうと良いのではないでしょうか。

・単に美しい写真が載せてあるのが特徴の本ということにとどまらず、出来るだけ多くの人を巻き込んで作られたものがよい。プランクトンの場合、それぞれの種についての分布図はむつかしいかもしれませんが、ある一定期間(例えば夏休み)を区切って、児童、生徒も巻き込んで例えばアオコ発生調査などを(ホタルダスのように)行なって、その結果も含めた内容になればさらにいいものができるのではないでしょうか。

<分類体系について>

・ 研究者や図鑑により分類体系は異なります。それぞれから無闇に良いとこ取りをすると、わけが分からなくなるのでベースとする図鑑を決めたほうが良いでしょう。それを基本にしながら、珪藻のメロシラの一部がアウラコセイラに属名変更になっていることや、カスミマルケイソウが新種扱いになっている点については補足する形態が良い。
(浅井補足:具体的には、山岸高旺編「日本淡水藻図鑑」(1977年内田老鶴圃)と日本淡水動物プランクトン検索図説(水野寿彦、高橋永治編1991年東海大学出版会)を基本にすればいいのではと示唆していただきました。)

<本の体裁について>

 (1)それぞれの出現傾向が書かれていると良い。
・1年の内、何月頃に多く見られるか。(季節変化)
・ 過去の琵琶湖で何年頃に多く見られたか。(経年変化、プランクトン相の遷移)

 (2)和名だけでなく、学名も併記したほうがよい。
今までのシリーズで扱った生き物とプランクトンの違いは、和名がなかったり、研究者によって異なっていたりする点。そのため、同じ属名を英語読みしたりラテン語読みしたりしている場合がある。(例 Coerastrumをケラスツルムと呼んだり、コエラスツルムと呼んだり)、あるいはササノハケイソウとあるだけでは、手許のプランクトン図鑑で参照することが出来ないことが起こりうる。Nitzschia obtusa とあればアルファベットが分かれば、必ず参照することが可能になる。

 (3) 上記<分類体系‥>とも関係してますが、
電子顕微鏡の普及などや研究者の見解で一部分類が混乱しているものがあるが、それらは( )書きなどで併記する。

 (4) <衛生環境センターの資料について>
・主な種の季節変化や経年変化はデータベース化(15年程)されているので利用可能。
・写真(デジタルデータ)については検討が必要だが、利用できる可能性はある。

以上のことをふまえ、3月29日用の資料を作りました。
1:本の仮題 自然観察シリーズ第7巻 「滋賀のプランクトン」
2:対象者 ・対象者 :小中学生、プランクトンの初心者の人
・利用場面:光学顕微鏡 100〜200倍 (メカニカルステージなし)
・ 価格:小学生でも買える500円を目指す。
3:本の体裁
既刊の自然観察シリーズの体裁を引き継ぐ
口絵ページに代表種のカラー写真(1頁20属?)→本文掲載ページを示す
本 文:体裁は未定3月29日(土)の第2回編集会議で検討
・ 図は線画を中心。図に矢印、青文字で識別点、注目点を示す。
・珪藻など、線画だけでは見た感じとかなり違うものは、本文中にも白黒写真を入れてはどうか(他のプランクトン図鑑では、酸処理された殻模様を描いたものが多い)
・それぞれの属に季節消長(多く見られる季節、少ない季節)を図示する。
 プランクトンに関する興味深い話題を組込む
・淡水赤潮、アオコについて
・カビ臭、毒素を持つもの
・プランクトンの子育て(ボルボックス、ミジンコなど)
・ 増えてきている種類、減ってきている種類
・ピコプランクトンの出現
・プランクトン研究の最前線(蛍光顕微鏡、電子顕微鏡など)
・その他

4:検討課題
(1) 分類体系について
 (a) 植物・動物の区別や配列順について
<現状>
・五界説では単細胞藻類(有色の鞭毛虫類も)は原生生物に属している。
  動植物を扱ったプランクトン図鑑では、この分類に従って配置。(藍藻は植物の位置)
  藻類のみを扱った図鑑や研究者の多くは、光合成能に着目して植物として扱っている
・藍藻類の位置付け
  系統分類に重きをおくと、原核生物で細菌類に近いシアノバクテリアに属させ、真核生物とは区別している。藻類学や研究者は、その特徴は理解しながらも、植物として扱っている。
 (b) 最近の属名、種名など変更点への対応
・メロシラの一部はアウラコセイラ(新属)に。
・フォルミディウム ムキコラ(ミクロキスチス中に存在)
             →プソイドアナベナ(属名)をカッコ書き
・ステファノディスクス カルコネンシス→スズキ (新種名で)
・ オオビワミジンコ(新種扱いで)
その他
・アンキストロデスムス属とセレナスツルム属の関係
・レカネ(ツキガタワムシ属)とモノスチラータ(エナガワムシ属)の関係
・トリコセルカ(ネズミワムシ属)とディウレラ(フタオワムシ属)の関係などの問題を検討する必要があると思います。
 (c) 固有種扱いの問題
・ビワクンショウモ
現在ではPediastrum simplexの変種扱いする研究者や、全国から見つかることから琵琶湖の固有種ではないとする意見もあるが、琵琶湖の稚鮎の放流状況、根来先生が研究、論文発表された当時の分布状況はどうであったのかなども考慮すると、本来固有種であるという考えで良いのではないか。
・ ビワコツボカムリ(未検討)
・ ビワミジンコDaphnia biwaensis(未検討)
・ その他


(5) 掲載する属、種数について(別資料参照
 前シリーズまでの掲載種は大体、100種程度。今回は種レベルで扱うと230種以上になる。そのため、次のような扱いにすればどうか。
   (a)『〜のなかま』は、基本的に『目』(一部『綱』『科』)を当てる。
『ランソウのなかま』、『ケイソウのなかま』、『ユーグレナ(ミドリムシ)のなかま』、としてまとめるとよいのでは。
・ その際、『渦鞭毛藻のなかま』や『黄色鞭毛藻のなかま』では、言葉が難しすぎるので、『ウズオビムシのなかま』や『サヤツナギのなかま』などと置き換えて、どこかに参照として正式名をあげる。
(b) 『〜のなかま』の下位のレベルを、『属』レベルでまとめる。
 (例:『2 ユレモのなかま』[ユレモ(オシラトリア)属])すると扱う項目数は130属程で収められる。
・ 『属』中に多種が存在しその同定が比較的容易な場合は、それぞれの種レベルまで同定できる体裁にする。(例、ツボワムシ属)
・ 『属』中に多種が存在し、その中のいくつかは同定が可能でそれ以外は子どもでは同定が困難な場合は、同定できる種は説明し『他にもこんな形のものもあります』と軽く触れる。(例、アウラコセイラ)

(6) 掲載名について
・ 学名(属、種名)のカタカナ表記だけではうまく表記出来ないこともあるので、本来の文字でも表わす。(余白の広さの問題はあるが)
<今回の分類体系>
「〜のなかま」としては42程と思われる。

▼さらに詳しい種レベルは、
下記から<030212掲載種一覧=Excel dataをダウンロードしてご覧ください。▼

▼ダウンロードの方法▼
・Windowsの場合
右ボタンをクリックして保存し、エクセルで開いてください。
・Macintoshの場合
そのままディスクトップにドラックするか、contorolキーを押しながらフォルダに保存し、エクセルで開いてください。

ダウンロード=030212掲載種一覧

1藍藻綱
 Chyanophyceae
1クロオコックスのなかま クロオコックス目 Chroococcales
2ネンジュモのなかま ノストック目 Nostocales
2黄色鞭毛藻綱
 Chrysophyceae
 (黄金色藻綱)
4サヤツナギのなかま オクロモナス目 0chromonadales
5モトヨセヒゲムシのなかま シヌラ目 Synurales
3黄緑色藻綱
 Xanthophyceae
6フシナシミドロのなかま バウケリア目 Vaucheriaceae
4珪藻綱
Bacillariophyceae
7ヒメマルケイソウのなかま コスキノジスクス目 Coscinodiscales
8イトマキケイソウのなかま リゾソレニア目Rizosolenialesとイトマキケイソウ目 Biddulphiales
9ジアトマのなかま ジアトマ目 Diatomales
10コメツブケイソウの仲間 アクナンテス目 Achnanthales
11フナガタケイソウの仲間 フナガタケイソウ目 Naviculales
12ニッチアの仲間 ニッチア目 Nitzschioideae
5クリプト藻綱
 Cryptophyceae
13クリプトモナスのなかま クリプトモナス目 Cryptomonadales
6渦鞭毛藻綱
  Dinophyceae
14ウズオビムシのなかま ペリジニウム目 Peridiniales
7ミドリムシ藻綱
 Euglenophyceae
15ミドリムシのなかま エウグレナ目 Euglenales
8緑藻綱
 Chlorophyceae
16オオヒゲマワリのなかま オオヒゲマワリ目 Volvocales
17ヨツメモのなかま ヨツメモ目 Tetrasporales
18クロロコックムのなかま クロロコックム目 Chlorococcales
19ヒビミドロのなかま ヒビミドロ目 Ulotrichales
20サヤミドロの仲間 サヤミドロ目 Oedogoniales
21ホシミドロの仲間 ホシミドロ目 Zygnematales
9根足虫綱
 Rhizopodea
22アメーバのなかま 根足虫綱 Rhizopodea
10繊毛虫綱
 Ciliatea
23ゾウリムシのなかま 繊毛虫綱 Ciliatea
11輪虫綱
 Rotatoria
24ヒルガタワムシのなかま ヒルガタワムシ目 Bdelloidea
25ツボワムシのなかま ツボワムシ科 Brachionidae
26チビワムシのなかま チビワムシ科 Colurellidae
27ツキガタワムシのなかま ツキガタワムシ科 Lecanidae
28フクロワムシのなかま フクロワムシ科 Asplanchnidae
29コガタワムシのなかま コガタワムシ科 Notommatidae
30ハラアシワムシのなかま ハラアシワムシ科 Gastropodidae
31ネズミワムシのなかま ネズミワムシ科 Trichocertidae
32ドロワムシのなかま ドロワムシ科 Synchaetidae
33ヒラタワムシのなかま ヒラタワムシ科 Testudinellidae
34ミジンコワムシのなかま ミジンコワムシ科 Hexarthidae
35ミツウデワムシのなかま ミツウデワムシ科 Filinidae
36テマリワムシのなかま テマリワムシ科 Conochilidae
37ハナビワムシのなかま ハナビワムシ目 Collothecacea
12ミジンコ亜綱
 Branchiopoda
38ミジンコのなかま ミジンコ(枝角)目 Cladocera
13カイムシ亜綱
 Ostracoda
39カイミジンコのなかま ポドコーパ目 Podocopida
14カイアシ亜綱
 Copepoda
40ヒゲナガケンミジンコのなかま カラヌス目 Calanoida
41ケンミジンコのなかま ケンミジンコ目 Cyclopoida
42ソコミジンコのなかま ソコミジンコ目 Harpacticoida