水の動きや性質を利用して、あちこちフワフワ、スイスイと・・・
オオオナモミ
(キク科 オナモミ属)
 果実内部は大小2つの種があります。すきまがあるので水によく浮き、流れていって今度は、苞が変化したトゲトゲでそこら辺の枝や草にひっかかることが出来る。水辺に生える植物はこのタイプ多いですね。
 水に流される点では、前ページのトチノキやクルミ・ヤブツバキもこのタイプとも言えます。重力散布でポトっと落ちて転がって、川に流されて・・「水散布」と分けていますが、植物は、いろんな散布方法を複数取り混ぜて、巧みに自分の遺伝子を広げて行っているようです。



海流に乗って、遠く異国の海岸までユ〜ラユラ・・・
 伊吹山は、海に接していないため、この植物はありませんが、参考のために掲載します。
海流型の植物は、沖縄など亜熱帯地域に多く見られ、ハマオモト、グンバイヒルガオ、メヒルギ・アダン・ハマゴウなどがあげられます。ハマオモトは、日没後に花が咲きそろい、甘い香りでスズメガなどを誘います。果実は丸くて、皮がスポンジ状で水に浮く。これで海流にのって、遠い島まで「流れよる椰子の実 ひとつ」状態になります。(作詞:島崎藤村)
グンバイヒルガオ
(ヒルガオ科 サツマイモ属)
ハマオモト(ハマユウ)
(ヒガンバナ科 ハマオモト属)



雨が降るとチャプチャプ、ランランと種が散り、運ばれる・・・
ヤマネコノメソウ
(ユキノシタ科 ネコノメソウ属)
 上を向いて、さかずき状に開きます。前ページのカワラナデシコのように茎は細くなくて、しっかりしています。雨がふると、雨粒があたって、種がとびちったり、たまった水と一緒に流れ出したりして運ばれます。しかも種の表面には突起があって、土やコケにひっかかりやすくなっています。
 この他に、春3合目に多く咲くフデリンドウも同じ仕組み。またコモチマンネングサは、葉の根元にできた”むかご”が雨で流されて運ばれるらしい。まあ〜、取り立てて名前つけなくても雨で種が流されることは多いです。

2009.05.03(西登山道)

2009.03.18(五色の滝)