木の実は鳥や動物に食べられることで移動。伊吹山には、どんな動物がいるんでしょうか?
 伊吹山の3合目までを歩いて見ると、いろんなイチゴの仲間に出会います。また実のなる木も多いです。これらの木の実は鳥や動物に食べられることで移動していきます。
ナワシロイチゴ
(バラ科 キイチゴ属)

ナワシロイチゴとヒメウラナミジャノメ
2009.05.27(1合目)

2009.07.15(1合目)

伊吹山には、鳥以外にはどんな動物がいるんでしょうか?
 ヤマケイの「伊吹山自然観察ガイド」によると、ヒメネズミ・イタチ・ノウサギ・テン・キツネ・タヌキ・シカ・ツキノワグマ・ニホンザル・カモシカ・アナグマ・ムササビなど20種類以上の哺乳類を観察できるそうです。
 こういった哺乳類の場合、鳥よりも排泄回数は減りますが、1回の糞の量は多くなります。つまり一箇所にドカッと種が運ばれるわけで、あっちこっち散布ではないが、一旦芽を出せばそこは、栄養豊富な場所ということになります。

カモシカ(ウシ目 ウシ科

2007.04.29(8合目)撮影:筒井

ムササビ(ネズミ目 リス科

2008.05.04(弥高尾根)撮影:筒井

ニホンジカ(ウシ目 シカ科)
2008.09.27(3合目)撮影:筒井

ニホンアナグマ(ネコ目 イタチ科)
2003.05.20(8合目P付近)撮影:辻田氏

ニホンザル(サル目 オナガザル科)
2007.09.29(吉槻付近)撮影:筒井

 カヤは伊吹山周辺に住む方にとっても、ごちそうのようです。ツキノワグマは、伊吹山の山頂付近にも最近出てきていますが、秋のこの時期は冬眠に備えて、食欲旺盛のようです。クマは雑食性で、魚・両生類・昆虫・サワガニなどの他に、木の実も大好物です。春は88%、秋は98%が植物質で、動物質は2%だそうです。
 ドングリ類は、胃で消化されることが多いですが、ヤマブドウなどは、糞として出てくる可能性も高いようです。クマは行動範囲が広いので、種の移動距離も長くなります。

アベマキ
(ブナ科 コナラ属)


ニホンアナグマ
(ネコ目 イタチ科)
2009.04.08 霊仙山(養鱒場山道)撮影:筒井

カヤ
(イチイ科 カヤ属)
2009.09.09(北尾根)

【貯色散布】
カケス・ネズミ・リスの貯食や食べ残し
 ノネズミ・リスやカケス・ホシガラスなどの鳥は、見つけた木の実をすぐに食べないで、べつの所に隠しておく習性を持っています。
 後で食べるのですが、どこに隠したか忘れるケースも多いようです。深さ3cm位の腐葉土の下辺りによく隠すようで、発芽するには最適の環境に埋めてもらったことになります。

スダジイ(ブナ科 シイノキ属)
2008.10.18 (伊吹山林道)

カケス(スズメ目 カラス科)
2006.04.30(権現谷)撮影:筒井
さまざまな木の実