草原を歩くと必ずと言っていいほどくっついてくる、あの引っ付き虫・・・
  この仲間は木本植物は少なく、ほとんどが草本植物です。草丈が低くないと動物に触れないですから。動物にしてみると、体にくっつくだけで、迷惑でしかないのです(片利共生)。植物としては、動物が来てくれないとどうしようもないですから、果実や種は、熟しても茎から落ちないで、葉っぱがなくなっても、いつまでもくっついているという特長があります。特殊なところでは、水辺のヒシの実があります。これは水鳥にくっついて移動します。
キンミズヒキ
(バラ科 キンミズヒキ属)
がく筒にかぎ状の毛がある


ミズタマソウ
(アカバナ科 ミズタマソウ属)
 伊吹山では、北尾根や笹又道で見ます。目立たない草ですが、アップで見るととてもユニークでかわいい花です。果実に毛があってこれで、動物にくっつきます。ですから咲いている場所も山道の真ん中でよく見ます。


2009.09.19(3合目)


2009.09.19(登山口〜1合目)

ウマノミツバ
(セリ科 ウマノミツバ属)
 セリの仲間ではっぱがミツバに似たこの花は、3合目でよく見ます。果実がオオオナモミに、そっくり!オオオナモミといえばスイスの発明家デ・マエストラルが、この果実をヒントにマジックテープを考えたのは有名な話です。
 付着散布タイプは、動物にくっつくことが大事ですが、くっついたら今度は、適当な所で、離れて地面に落ちなければ困るわけです。そこら辺の兼ね合いが微妙ですが、上手に作られているんだろうなと思います。


2009.09.19(3合目)

2008.07.09(3合目)

ダイコンソウ
(バラ科 ダイコンソウ属)

ハエドクソウ
(ハエドクソウ科 ハエドクソウ属)
 1属1種のハエドクソウ科の植物です。全草有毒で、この根の絞り汁で蠅取り紙を作った。花はつぼみは上向き、開花すると横向きですが、果実期は下向きになります。がくが変化した先が3裂の硬いとげ状のこの赤いところで、動物に付着します。伊吹山では3合目で見ましたが、平地や低い山に普通にあります。イノコズチ(ヒユ科)によく似ていますね。