リス

新緑のあでやかさは消え、
しっとりとした山門水源の森の味が感じられるのは
1年のうちでもこの時期ではないかと思います。
派手さは湿原のレンゲツツジの咲き終わりで一区切りをつけます。
しかし、水源の森の命のすばらしさを感じられるのは6月です。
 なかでも湿原の周りに花かと見間違うばかりに産卵されたモリアオガエルの卵塊。今年は、例年より早く産卵が始まりましたが5月の低温が影響してか、一時産卵が止まりました。この現象は近畿各地でも同じようです。

モリアオガエル
↑モリアオガエルとその卵塊→

卵塊
 さて6月の湿原は、例年通り卵塊の華を見ることが出来るでしょうか。緑一色の湿原に、夏を代表するハッチョウトンボが現れ出すのもこのシーズンです。ハッチョウトンボの最盛期は、7月ですが、木柵越しにわずかに赤いハッチョウトンボの姿を確認するのはなんとも楽しく、今年もいてくれたかと声をかけたくなります。ハッチョウトンボの赤色を探し求める目に、ピンクの可憐な花が飛び込んでくるのも6月ならではの楽しみです。
ハッチョウトンボ
トキソウ
↑ハッチョウトンボ    そうそう6月はトキソウのシーズンでもあります。↑
 湿原までの道中では、香しいとしかいいようのないササユリが迎えてくれるのもこのシーズンです。目を上に転じると5月には未だ緑色だったヤマボウシが、すっかり白衣に衣替えして歓迎してくれます。
ササユリ
↑ササユリが迎えてくれる
ヤマボウシ
ヤマボウシ
↑ 白さを増してきたヤマボウシ ↑
ギンリョウソウ
 その根本ではギンリョウソウが、ここにも命があることを忘れないで・・・と小声で語ってくれます。ギンリョウソウには、晴れた水源の森は合いません。しとしとと小雨が降り、薄暗く感じる樹林の下にあるのが似合います。

←ギンリョウソウ
 その隣には色とりどりのキノコが、私の存在も忘れないでと顔を覗かせます。

キノコ1

キノコ2
↓ウツギ
ウツギ
 でも明るい水源の森をお望みなら、晴れた空をバックにタニウツギに変わって、ウツギが迎えてくれます。晴れた日のウツギには次から次へと蝶が訪れてきます。

チョウ

 花に飽きたら深緑に変わった木々の葉に目を移してください。6月の森では、どちらを向いてもうまそうな葉をかじっている昆虫やその幼虫に出会います。

ケムシ

 冬場にリスに遭遇したというのがありましたが、筆者は過去15年間一度も遭遇したことがありませんてした。初めてブナの森でリスに遭遇しました。幸いカメラにも納めることが出来ました。やはり静かに森の中を歩くと、こういうチャンスにも恵まれるんですね。   (ブナの森でリスに遭遇)→

リス

 汗を拭き拭き到着したブナの森では、コゲラのせせこましい行動やヤドリギの不思議さにも出会えます。

ブナの森
↑緑がまぶしいブナの森
西山と南部湿原
↑おぼろに霞む西山と南部湿原

文と写真:藤本秀弘 ★掲載写真の無断複写および使用することを固く禁じます。