残雪の湿原春雨に煙る

 立春を過ぎスギ花粉の飛散が報道されるようになり、何となく春の気配を感じるようになりました。 暖冬の予報とは裏腹な厳冬の1月で、山門水源の森は、数日来の暖かな雨とはいえ相当な残雪があるのではと覚悟を決めて出かけました。 が山門の集落の水田には全く残雪はなく日陰の斜面に残っているだけ。が一歩道路から入るとトイレ前で20cm、これはやはり湿原では相当な積雪があるのではと再度気持ちを引き締めるも、コンクリート道路へ出ると雪は皆無。昇っても日当たりの良い場所はほとんど残雪がない。

 峠では40cmの場所があるものの局部的である。湿原への階段も簡単に降りられる状態に消雪している。
階段付近から見る湿原は池塘の一部と流路周辺には積雪がないものの他はやはり残雪。

北部湿原東端の積雪→
 北部湿原35cm、南部湿原20〜35cm、山地頂上40〜50cmで湿原までは、長靴さえ履いていれば問題なく行けます。健脚路では、ヒノキの森から上は徐々に残雪が増え冬装備が必要です。
ブナ林の残雪↓ブナ林の残雪
山頂の守護岩↓山頂の守護岩
 筆者が訪れた11日は、午前10時ごろから雨が降り出し、それに伴って湿原表面から靄が立ち上る幻想的な光景が見られました。
靄の南部湿原
靄の南部湿原
靄の中央湿原と池塘
靄の中央湿原と池塘

霧の釧路湿原を思わせる
霧の釧路湿原を思わせる↑
 靄の動きによって時々刻々変化する湿原の景色は、この時期の雨の時しか見られません。

 雨を敬遠しつつも出くわした降雨によって又新しい湿原の美しさを発見いたしました。

 この日までの最後の降雪の後、ワカンを履いて訪れられた方があったようです。
 融雪にともなって湿原内の水位は上昇し、ブルテの中でも成長の進んだものだけが水面上に顔や積雪部を出している。
ブルテの雪解け
ブルテの雪解け
雪解け始まる北部湿原
雪解け始まる北部湿原

 湿原内の大きなイヌツゲは、未だ積雪の下となっているのに反して、ミヤマウメモドキの多くは、既に雪圧を跳ね返して、正常に戻っている。
 今後「寒の戻り」ということも何回か繰り返されるのが例年のことであるが、水源の森には確実に春が忍び寄っています。
 雪の下敷きになったレンゲツツジの蕾が赤く膨らんだり、ハンノキの花が咲いたり、バイカオウレンの花芽が出始めたり、ミツガシワの芽が池塘で伸びています。春は確実に来ています。
雪の下から顔を出したレンゲツツジ
雪の下から顔を出したレンゲツツジ
花芽が出だしたバイカオウレン
花芽が出だしたバイカオウレン
池塘で芽を伸ばすミツガシワ
池塘で芽を伸ばすミツガシワ
 

コゲラの食痕
 一雨毎に水源の森の様子は春の香りを運んできます。

  冬と春の入れ替わりは、他のシーズンの入れ替わりよりも観るべきものが多いときです。

 昨シーズンの思いでの地点や極めつけの生物個体が今どのように春を迎えようとしているのか是非自分の目で確かめてください。
マルバマンサクの蕾
マルバマンサクの蕾

枝幹が集めた雨水流下
左下の写真は、四季の森のツチアケビです。既号の花や実の状態と比較してみてください。
今シーズンもあの鮮やかな朱色の実を私たちに見せてくれるでしょうか?
分解したツチアケビ
分解したツチアケビ
四季の森のコナラ林
四季の森のコナラ林
 四季の森のコナラの樹根の根雪も右上の写真のように徐々に解けていっています。
藤本秀弘  hide-n-c@mui.biglobe.ne.jp