2001.12.Vol.24『黄金色に輝く冬の山門湿原』
文・写真=藤本 秀弘

天気の変化に合わせて水源の森の景色が変わる
 既に初雪を迎えた山門水源の森のたたずまいは、一部に赤褐色の葉を枝に付けたコナラ以外はすべて冬景色へと移行していた。12月2日は、湖北特有の天気で曇→晴→雨とめまぐるしく変化した。


 天気の変化に合わせて水源の森の景色が変わるという最高のお膳立てでした。 筆者とは別にパトロールされた会員以外は全く訪れる人もなかったのでは・・。


 しかし、湿原の森の本当の味わいはこれから4月までなんです。5月以降11月までに訪れられた方は、湿原が湿原らしく見えなかったのではありませんか?


池塘らしさが蘇ってきた→

池塘らしさが蘇ってきた
湿原の森の本当の味わいはこれから・・・

 池塘やブルテの微地形が草で被われて見えなかったのです。これからは違います。

林間から望む黄金色の湿原
↑林間から望む黄金色の湿原
 ひと雪ごとに湿原内の枯れた植物は伏せって湿原の微妙な凹凸が顔を出してくれます。これに10cm前後の積雪があれば最高なんです。


 
時雨が多い湖北の天気ですが、その合間の晴れ間に見せる湿原の顔はこの世のものとは思えないような景観になることがあります。


 
加えて虹などに出くわそうものなら、これぞ極楽浄土と手を合わせたくなります。


 
今回もただ30分間でしたが、左の写真のように黄金色に湿原が輝きました。


 
この展望台にあなたがたたずむ光景を想起してください。身震いされるのではありませんか。

麓の「山門の里」は晩秋の名残

 さて水源の森はすっかり落葉の森でしたが、麓の「山門の里」は晩秋の名残を感じさせてくれました。紅葉の林を被う霧、刈り終わった水田の奥には、まさに里山のコナラ林に朝日が射し込み始めていました。この光景に出くわすには、8時から9時の間に山門の集落に行ってみて下さい。

まさしく「里山」の風景
↑まさしく「里山」の風景


山門集落の背後の「逆転層」

 冷え込みがきつい朝ほどメリハリの利いた光景に出くわせます。こういう光景に巡り会うと、仙人の境地がわかるような気になるのが不思議です。最近脱サラで田舎暮らしを希望する人が急増しているとのこと、大都会のマンション住まいと、この環境で生きるのとと思うと納得する。

バイオシステムのトイレを設置

 先月開催された「山門水源の森協議会」で、念願のトイレが設置されることが決定した旨の報告が県からなされた。

 このトイレは、伊吹山頂に設置されているのと同じバイオシステムのものです。工事が12月中に着工される予定です。

バイオトイレが設置される広場
バイオトイレが設置される広場

 この協議会で、写真上の植栽は、工事完了時に地域にマッチした植栽にやり直すことと、コンクリート道路についても問題があるなら撤去することも考えるとのことでした。

シカの食害は確認できなかった。

しきのもりの木橋
 既号で度々書いてきましたシカの食害ですが、今回は全く新たな被害は確認できませんでした。

 湿原内のミツガシワを食い尽くしてしまったと思っているのかどうかわかりませんが・・?

 過日来の降水によって湿原の水位も上昇したこともあって、池塘底から浮き上がった堆積物も前月のように目立たなくなっていました

冬到来を感じさせたエナガの群
 静かな湿原の森では、ウグイス・ヒヨドリ・エナガ・シジュウカラ・ヤマガラ・ヤマドリなどの鳴き声を聞き分けることができた。


 エナガの群がリョウブの房状の果実に群がっているのは冬到来を感じさせました。

時雨に濡れたヤブコウジ→

時雨に濡れたヤブコウジ
来年も宜しくお願いいたします。
 今号が2001年最終号になります。
西側山頂部の守護岩

1年間おつきあいありがとうございました。

2002年が皆さんにとって

明るい年でありますよう・・


そして、『山門水源の森』を

次世代に引き継ぐための飛躍の年になることを

祈っています。

来年も宜しくお願いいたします。


藤本 秀弘

←西側山頂部の守護岩

注:掲載写真の無断複写および使用することを禁じます。Photo by H.Fhjimoto