Vol.17 2001/05/13
Writing & Photo by Fujimoto


 「山門水源の森」生態系保全シンポジウムが5月12・13日、滋賀県伊香郡西浅井町の現地で開催されました。12日は、「水源の森」入口に11時過ぎから当初広報の遅れから参加者が少ないのではないかと心配されましたが、予想をはるかに超える250名ということになり実行委員会の方はてんてこ舞いの状態となりました。参加者は遠くは東京、愛知、神戸から、地元西浅井町からは小中学生も多数参加しました。開会式後、ブナ・ミズナラ林を観察する健脚コース、広々としたコナラ林を観察する散策コース、湿原をじっくり観察するコースに分かれて「水源の森」に入りました。


 湿原の分かれ道の峠からは、遠くの伊吹山が望め、銀色に輝くコナラの新芽からは房状の花が可憐に顔をだし、大きくなったミズナラの葉は透き通る青空に鮮やかさを誇っていました。遠方からの訪問者の口からは「空気の味と香りが違う」という言葉があちこちから聞かれました。おとしぶみ(オトシブミが公用の葉に産卵して葉を丸めて落としたもの)を見てゆりかごの中で育つ幼虫の話しに耳を傾ける小学生の可愛さに指導者もうっとり。炭窯の跡に入りなぜこんな石積みが?と首をかしげる姿に、年輩者は炭焼きの生活がたかだか数十年前までにあったのにと感慨深げであったのも印象的でした。

 湿原では多くの人が、ミツガシワの白い絨毯を期待して来られたのにもかかわらず、今年は霜害と鹿の食害とが重なり、湿原の周辺にわずかに残っている程度でした。案内者が悪いのではなく、是も自然とご理解いただければと思っています。前号のニュースでも書きましたが、このような状況は過去15年間ではじめてのことです。ぜひ、来年のこのシーズンを楽しみにしていただければと考えています。ここで見ていただいたとおり、この湿原の東側は、すでに土砂が入り込み湿原らしさが失われつつあります。文字通り「次の世代に…」引き継ぐために皆さんのいろいろなご援助をこれからもお願いしたいと思います。


 観察終了後、宿泊者は各宿泊所で「山門水源の森」について、地元の方から「地域にとっての山門水源の森」の歴史と地域住民のの思いを語っていただいた後、各人の「山門水源の森」を訪れて感じたことを酒を交えて語り合いました。どの参加者からも、この素晴らしい森と湿原がよくぞ残っていてくれたという絶賛の言葉が続出しました。しかし、その保全は、口で言うほど簡単ではなく、行政、地域住民、関係者が本腰を入れて行動しないと取り返しのつかないことになってしまうというものでした。
翌13日は、西浅井町公民館でシンポジウム 150名の参加でした。
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