3月に入って順調に融雪が進んでいた「山門水源の森」は、13・14日の猛烈な寒気の流入で一気に冬に逆戻りし新雪が45cmとなった。(上記タイトル写真は、3/15と3/26の北部湿原と西側山地)
…が、それ以降順調に融雪が進み、26日には北部湿原・中央湿原(灌木帯は除く)は完全に雪解け状態となり、ブルテ部分にはミツガシワの葉芽も伸び出し、池塘ではイモリが盛んに活動しだした。

北部湿原と西側山地(06/03/04)

北部湿原と西側山地(06/03/11)
 南部湿原の融雪は2/3程度で西端では20cm前後の残雪がある。これから1ヶ月が最も湿原らしい景色を見せてくれる。湿原までは長靴があれば歩行できるのでおでかけ下さい。全体の観察コースの約半分は26日現在残雪が多い(頂上東側は場所によって1m)ので冬装備が必要です。ただコースからの伊吹山・横山岳等の景観は抜群です。
アカガシ(左)とブナ(右)と雪解け
アカガシ(左)とブナ(右)と雪解け
 「山門水源の森」の植生での1つの特徴であるアカガシとブナの分布は、既報の通り原則的に尾根の北側にはアカガシは無い(少しの例外はあるのだが)。
 今回雪解けとの間にも何となく関係がありそうだということが観察された。アカガシとブナが隣接して分布する部分では、左上の写真のようにアカガシがある部分が早く融雪している。
 両者の融雪時期の差は10日前後であろうと思われるが、植物はこの微妙な差にも反応しているように見える。
 「やまかど・森の楽舎」から観察コースの峠(地点?)までの尾根部には、イワナシが点在している。
 このイワナシの分布している地点も、周囲より早く融雪する部分である。
イワナシ生育地は雪解けが早い
イワナシ生育地は雪解けが早い
 こんな目で融雪と植物との関係を観られるのもこの時期の楽しみの一つである。
 積雪期の観察では、動物の足跡がもっとも普通に行われることであるが、もう一つ動物の糞の観察も興味が湧く。
ノウサギの毛が入った糞
ノウサギの毛が入った糞
 2月28日のパトロール時には、好天ということも関係したのか多くの鳥の糞が見られた。
 下の左と右の写真は同じ鳥の糞で、右下のものは全日までの雨で糞の形が壊れたものである。
種子が多い鳥の糞
種子が多い鳥の糞
種子が多い鳥の糞
種子が多い鳥の糞
 この中には2種の種子が含まれているが、種名は編者には同定できない。この種の糞がこの日は各所で観察できた。
猛禽類のペリット
猛禽類のペリット
 この糞を採取し苗床に播いたのが右の写真である。播いたのは、
 種子の同定をしたいということと、育種後「やまかど・森の楽舎」の周辺に植樹すれば、野鳥を呼ぶこともできると考えたからである。
種子の多い鳥の糞を播種
種子の多い鳥の糞を播種
さて「糞」によく似たものにペリットがある。今回「山門水源の森」では初めてお目にかかれた(写真上右)。ペリットは、消化できなかった骨・羽・毛・・・を吐き出したものなのだが、猛禽類やモズ・カワセミなどのものがよく知られている。「山門水源の森」では確認されている猛禽類は、オオタカ・サシバ程度であるが3月7日と15日に北部湿原東側尾根付近で「ほーほー」と鳴くフクロウ様の鳴き声がかなり長く聞き取れた。今回のペリットは、この鳴き声の主のものかも知れない。残念ながら鳴き声から主を割り出せない編者であった。今後訪れられた時注意していただきたい。

雪解けの保全作業
雪解け進む南部湿原をバックに
雪解け進む南部湿原をバックに

山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会
事務局 藤本秀弘
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