「やまかど・森の楽舎」は2003年10月建設を開始し2004年3月竣工した。「山門水源の森」の湿原内への立入り観察ができないため、その代償となる附属湿地の造成方法と植栽方法を設計段階から検討した。
04/04/06の附属湿地
04/04/06の附属湿地
驚異的な生物が出現した
驚異的な生物が出現した
「やまかど・森の楽舎」附属湿地
 当初この附属湿地が上部湿原の代償として使えるのは5年は必要だろうと予想していた。
 湿地のベースになるオオミズゴケの採集地点についても再三議論された。
 結論的には、山門集落の本会会員である竹端・中川進両氏の水田脇及び休耕田のオオミズゴケを2回に分けて植栽した。

オオニガナで吸蜜する
ツマグロヒョウモン→

ネキトンボの交尾
ネキトンボの交尾
昆虫を捕らえたイモリ
昆虫を捕らえたイモリ
 2004年4月にはいち早くイモリが侵入することに始まったのを皮切りに次々と動物の侵入が続き、6月には予想もしないモリアオガエルの産卵までもが観られる状態となった。

 植物では、会員に球根の増殖を前年から準備してもらい3月と6月に植栽。地域の方がかって湿原から持ち帰り増殖されていたミツガシワも植栽。サワギキョウ・サワシロギク・ノハナショウブ・キセルアザミも前年湿原で採種したものを育苗し植栽した。これにヒツジグサ・ジュンサイ・ミミカキグサ・ヤチスギラン等も植栽した。
旧湿地のエゾリンドウ
旧湿地のエゾリンドウ
フィンランドからの学生グループ
フィンランドからの学生グループ
 これらの植物以外にオオミズゴケの中に含まれていた植物(サワギキョウ・サワシロギク・コオニユリ・サワヒヨドリ・)も芽を出し、狭い湿地でありながら四季折々の開花が楽しめる。他方水田雑草の侵入には度重なる除草にもかかわらずその勢力拡大に頭を痛めている。モリアオガエル以外にもトノサマガエル・アマガエル・ヒキガエル・タゴガエル、これらを狙うアオダイショウ・シマヘビ・マムシ、加えてイシガメ・最近ではアオサギ・シカまでもがお目見え。昨年から引き続き多くのトンボが飛来・産卵を繰り返し、湿地で羽化までもが観察できるという最高の湿地ができあがりつつある。
「箕面の森の観察会」メンバー
「箕面の森の観察会」メンバー
高月町「女性さわやか教室」の皆さん
高月町「女性さわやか教室」の皆さん
10月の本会主催観察会
10月の本会主催観察会
 「やまかど・森の楽舎」の建設のおかげで、本会の活動も飛躍的に内容が充実してきた。その一番は、訪問団体に対してしっかりとした解説ができるようになったことである。
パワーポイントで解説する伊藤会員
パワーポイントで解説する伊藤会員
 映写設備・マイク設備については西浅井町が、コンピューターや図鑑購入には、本年助成を受けた「おうみNPO活動基金」によって会員の誰でもが解説業務に当たれるようにソフト(一般訪問者用・小学校用・専門団体・英語版等々)も開発できています。
 こうした施設の充実と会員やボランティアによる保全活動の成果が、来訪者にも評価を得ているためかこの10月だけでも10団体を受入れるという盛況ぶりである。もちろん一般訪問者も多くなり、ウィークデイにも団体も含めて来訪者が絶えなくなりました。このような来訪者の増加は、新聞・テレビの報道のみでなく一般販売雑誌にも掲載される機会が増えたこと、来訪者の口コミ等いろいろ考えられます。
 このような来訪者の増加に応えるためには、「やまかど・森の楽舎」にシーズン中(3月〜12月)は、常に案内者がいることが望ましいのですが現在の経済状況はそれを許しません。何とか経済的自立をしつつ、現在進めている保全活動が持続できる方策を考えねばなりません。宣伝の常套句ではなく、この規模でこれほどの「生物多様性に富む『山門水源の森』」は全国的に見ても凄いものだと考えられます。「21世紀は環境の時代」・「森林は第二の琵琶湖」・「マザーレイク」・「琵琶湖をあずかっているのは滋賀県です」等々滋賀県のキャッチフレーズをバックアップする積極的な経済的支援が滋賀県に望みたいことです。公共事業の後始末まで毎年ボランティアというのでは・・・

山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会
事務局 藤本秀弘
hide-n-c@mui.biglobe.ne.jp