待ちに待った降雨で産卵

 6月は産卵期に入っているにもかかわらず降雨不足のため産卵が少なかったモリアオガエルも6月30日からの降雨で一斉産卵となった。結果的には最近数年では最も多い産卵数となった。
 さらに初旬は降雨が続いたため短期間で卵塊が落下することとなり、一部はオタマジャクシになる前に落下したものもある。
鈴なり状態の卵塊・南部湿原
鈴なり状態の卵塊・南部湿原
オタマジャクシになった
オタマジャクシになった
 南部湿原の周囲や「やまかど・森の楽舎」の附属湿地では、各所で産卵行動が観察でき、雨中にこの光景をと撮影に訪れた方々は大満足であった。
 2年目を迎えた「やまかど・森の楽舎」附属湿地では、観察橋の下に産卵した卵塊からオタマジャクシが落下し、その下に待ち受けるイモリを観察し自然界の仕組みに「なるほど」と感心されていた。
 今年はジュンサイが見事な花を付け、これ又初めて見るという訪問者が多く、「あの食べるジュンサイの花?」と興味津々でした。株数も増えて来ました。
 同様に昨年1株植栽したヒツジグサは、湿地全域に広がり始めてきました。来夏は水面はヒツジグサで覆われることになりそうな勢いです。
ジュンサイの花・附属湿地
ジュンサイの花・附属湿地
 この湿地に連日多くのトンボが羽化・交尾・産卵を繰り返しています。トンボの種類と行動のみを観察するだけでも1日は充分楽しめます。観察橋から望遠レンズでこれらのトンボの行動を撮影する訪問者も増えてきました。
附属湿地のコオニヤンマ
附属湿地のコオニヤンマ
附属湿地で羽化したオオシオカラトンボ
附属湿地で羽化したオオシオカラトンボ
 ただ夏休みに入り昆虫採集目的で訪れる方には「この地域は生物多様性を保全するため採集禁止です」と心ならずもお断りしています。
 昨年2回に渡って下草刈りを実施したクサレダマ分布域では、7月初旬見事なクサレダマ群落が復活しました。花が咲くまでには数年を要しますので全ての株が開花したわけではありませんが、数年後には開花した大群落が見られるはずです。
群落再生のクサレダマ
群落再生のクサレダマ
見事な花を付けたナツツバキ
見事な花を付けたナツツバキ
 春先多くの樹木の花も今年は見事でしたが、この時期のナツツバキも最近では希な開花状況となりました。観察コースのあちこちで落花が見事でした。同様にヤマボウシは今多くの果実を付け、遠からず赤く熟してくるはずです。
 もちろん久々にブナの実も大豊作です。他のドングリも豊作ですから、一昨年ドングリが落下するころには、林床をイノシシが荒らすかも知れません。附属湿地では、トンボ以外にも多くの動物が集まっています。
附属湿地のカナヘビ
附属湿地のカナヘビ
 アオダイショウ、シマヘビ、マムシがカエルを狙い、モリアオガエル、トノサマガエル、アマガエルがトンボをはじめとする昆虫を待ちかまえています。これらの行動も附属湿地では観察できます。モリアオガエルを狙ってタラノキに登ったシマヘビも観察できました。狭い湿地ですが、こうした食物連鎖も容易に観察できるのがうれしいことです。
附属湿地水辺のマムシ
附属湿地水辺のマムシ
 7月24日懸案であった湿原の復元作業の一貫である湿原の下草刈りを猛暑の中「淡海森林クラブ」の皆さん21名と滋賀県・西浅井町の職員の皆さんと本会会員とで急遽作業をしていただきました。

 その結果は森に出向いていただいてご確認頂けばいいのですが、見違えるような湿原風景となりました。来期はまた新しい湿原植物の出現が期待できます。ご参加いただいた皆さんありがとうございました。
下刈り中の淡海森林クラブの皆さん
下刈り中の淡海森林クラブの皆さん
 こうした作業の繰り返しでなんとかこの生物多様性に富んだ湿原を保全してゆくことが出来るわけです。秋にも本会主催の保全作業を計画していますので、会員の皆さんのご参加をお願いいたします。

山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会
事務局 藤本秀弘
hide-n-c@mui.biglobe.ne.jp