2011年6月伊吹山ネイチャーネットワーク自然観察会
初夏の山頂へ、伊吹山の地質を学び、お花畑を鑑賞!
レポート&撮影=筒井杏正
★2011(H23)年6月26日(日) ★天候=曇り時々晴れ 気温=18〜22℃  ★集合場所=関ヶ原ふれあいセンター
★所要時間=10:00〜16:30
★参加者=筒井、所、中井、美濃(2名)、福田(2名)、藤原、柳瀬、酒井、上原、中尾、早川、櫛田、竹村(2)、岩元、堤本、小林、平井、道祖尾、池田(2)、本多、小島、逢坂
★文・写真=筒井杏正
 5月の観察会は、当日も順延の日も残念ながら雨に見舞われ、開催することはできなかった。

山頂駐車場に着くと→
全面を覆っていた濃いガスが急に風に流れだした。


 6月に入って梅雨前線は列島の真上にあり、今日も南では台風も発生していて危ぶまれたが降水確率は30%程度と開催を決定。伊吹山ドライブウェイの標高1,000m付近になると、すっぽり濃霧に包まれ、フォグランプを点灯しながら走る
 今日は、酒井会員(元高校教師で地学)を講師に伊吹山の地質の勉強。山頂駐車場近くにある待避所では、岩石の実物をとり、砂岩、泥岩、礫岩、チャート、石灰岩などの堆積岩、それに火山岩の1種玄武岩の解説を受けた。伊吹山が2億数千万年前、赤道近くの海底火山が幾星霜の時を経ながらここに辿り着いたという。特に、山頂部を主に構成する石灰岩は、酸と反応して二酸化炭酸ガスが発生するのが特徴として、用意したトイレ洗剤のサンポールを注ぎ、その泡を確認したり、岩質が柔らかいため、釘などで簡単に文字や絵が描けることの実験も行った。

伊吹山頂ドライブウェイ付近で
火山岩の一種「玄武岩」が唯一見られる場所
 山頂駐車場着は11時半頃。立ち籠めていた濃いガスも一瞬に風に流れて吹き飛んだ。
はるか遠方に竹生島が浮かんでいる。


▲ 
西遊歩道口から琵琶湖を望む

これより西遊歩道を登り、植物の観察は中井さんや藤原さんたちの解説を受けながら山頂へ。

サワフタギ(ハイノキ科)
開花の花=マメグミ(満開)、シモツケ(5分咲)、イブキシモツケ(満開)、マユミ(満開)、ツルアジサイ(5分咲)、イブキノエンドウ(5分咲)、ヒヨクソウ(7分咲)、カノコソウ(3分咲)、クモキリソウ(数株)、ミヤマコアザミ(蕾)、ホウチャクソウ(散花)、ハナヒリノキ(8分咲)、オドリコソウ(満開)、イブキトラノオ(1分咲)、グンナイフウロ(3分咲)

マメグミ(グミ科)
2010年滋賀県ではレッドリストにあげられた。

シモツケ(バラ科)
まだ2分咲き。これからが見頃。
▲イブキシモツケソウは花盛り、コデマリに似てるね! と、眺める人、写真を撮る人で賑わう。

いろいろな初夏の花が気になる。早緑の中には、黄色のキバナノレンリソウが一輪咲いていた。

山頂近く、雪崩防止策のある見晴台付近では、酒井講師から伊吹山のさざれ石(石灰質角礫岩)について学ぶ。

キバナノレンリソウ

クモキリソウ

ミヤマコアザミはまだ蕾

ハナヒリノキの花

カノコソウは咲き出したばかり、これから

イブキトラノオもこれからだ

珍しくも、遠くの岩陰にヤマブキソウが残ってる

珍しく足下の石にウミユリの化石が!
開花の花=マメグミ(満開)、シモツケ(5分咲)、イブキシモツケ(満開)、マユミ(満開)、ツルアジサイ(5分咲)、イブキノエンドウ(5分咲)、ヒヨクソウ(7分咲)、カノコソウ(3分咲)、クモキリソウ(数株)、ミヤマコアザミ(蕾)、ホウチャクソウ(散花)、ハナヒリノキ(8分咲)、オドリコソウ(満開)、イブキトラノオ(1分咲)、グンナイフウロ(3分咲)
 山頂に着いたのは、皆さんあまりにも熱心で、とうに昼を過ぎ1時近くで、それぞれに遅めの昼食となった。遠くの岩陰に一輪のヤマブキソウを見る。

 午後1時半から約30分。再度、山小屋対山館の場所を借り受け、酒井講師から伊吹山周辺の岩石の分布やこの辺りを走る断層とその断面図、および石灰岩に刻まれた生物の化石から伊吹山の地歴、なお西山麓の鉱山が、石灰岩を採石し、どのように利用されているかなどの講義を受けた。
 対山館での講義を終え、三角点に向かう途中の、山小屋えびす屋の横に1mほど顔を出し土中に埋もれた岩石を酒井さんが発見。これは「崩壊角礫岩」といって、岩を金槌でたたき割ると、必ず四角形に割れるのが特徴。
 崩壊角礫岩は洞穴の天井の崩壊あるいは石灰岩と石膏が挟まれる層で石膏が溶解し去った場合に見られるというが、このような場所で見つかるのも珍しいとのこと。
 いつも、なにげなく通っていたが、ひとつガイドの知識が増え、得した感じだった。

山頂(一等三角点)で(クリックで拡大写真)
この後、一等三角点で記念写真撮影後、東遊歩道を下山。途中、キバナノレンリソウが一輪咲いているのを見つける。濃霧は、相変わらず行く手を遮るが、歩道前に美しく咲くタンナサワフタギやサワシバの実、バイケイソウの蕾を観察しながら駐車場へ。そして着いた途端、小雨が降り出した。

 このようにガスが立ち籠めた観察会であったが、この気候が伊吹山の美しい自然のお花畑を作っているかと思えば、このガスに感謝しなければ思うことにした。